はじめに|営業が向いてないと感じているあなたへ
「営業なんてもう無理かもしれない…」
「毎日ノルマに追われて、誰かに怒られてばかり…」
「自分って営業に向いてないんじゃないか?」
この記事を読んでいるあなたは、営業職に違和感や限界を感じているのではないでしょうか。でも、ちょっと待ってください。
実は「営業に向いてない」と感じるのは、今の営業スタイルがあなたに合っていないだけかもしれません。
この記事では、
- 営業が向いていないと感じる主な理由
- 営業職といっても種類はさまざま
- 自分に合った営業スタイルの見極め方
- 営業出身でキャリアを切り拓いた実例
- 営業でキャリアを成功させるために必要な視点
をお伝えします。
1. 営業が「向いていない」と感じる3つのよくある理由
①ノルマプレッシャーがしんどい
毎月のノルマや売上数字に追われ、中には達成しないと会社で居場所が無いという方もいるのではないでしょうか?
これにストレスを感じる方は多いです。目標未達によって自己否定感に陥る人も少なくありません。
②ガツガツしたコミュニケーションが苦手
売らないといけない・何とか興味を持ってもらわないといけない、と思えば思うほどガツガツしなくては。と思ってしまう方も多いのではないでしょうか?
押しの強さや交渉力が重視される環境では、「自分らしく振る舞えない」と感じる人も多いです。
③商品やサービスに自信が持てない
本心で良いと思えないものを売ることに苦しさを感じるケースもあります。
お客様への最適な提案ではないとわかっていても、会社の方針で売らないといけない。目の前のお客様への罪悪感とノルマとの板挟みで疲弊される方も多いです。
【POINT】
実際に転職希望者の方からの転職理由を聞いていても営業を辞めたい理由や今の会社から転職をしたい理由に上記のような理由も数多くあります。
しかしこれは営業に向いてないというより、「自分の価値観とズレた営業スタイル」に苦しんでいる可能性が高いです。
2. 営業といってもこんなにある!営業職の種類と特徴
営業とひとことで言っても、仕事内容・顧客・商材・スタイルは多岐にわたります。
営業の種類 | 主な特徴 | 向いている人 |
法人営業(BtoB) | ビジネス上でのコミュニケーションとなるため、お客様の態度や言葉使いに対するストレスが少ない。 | ビジネス支援をしたい人、ビジネスマナーを大切に考えている人 |
個人営業(BtoC) | インセンティブ等で稼ぎやすい場合が多い。まずは営業の経験を積みたい未経験者におすすめ。 | とにかく稼ぎたい人、未経験から営業にチャレンジしたい人 |
コンサルティング型営業 | すでに導入されている自社サービスを、お客様が有効活用するためにコンサルティングを行う営業。 | 課題解決力を身に着けたい人、ロジカルな環境で仕事をしたい人 |
ソリューション型営業 | お客様の課題に対して自社サービスの導入を行うことで、その課題を解決する営業。 | 課題ヒアリング力を活かしたい人、提案力を身に着けたい人 |
フィールドセールス(SaaS系) | 受注をミッションとし、テレアポ部隊が設定した商談を対応する専門部隊。 | 専門的な提案力を身に着けたい人、ITリテラシーが高い人 |
カスタマーサクセス(SaaS系) | 受注後の活用促進や離脱防止がミッションの深耕型営業。お客様の課題に寄り添いタイプの営業。 | お客様の課題に正面から向き合いたい人、人間関係構築が得意な人 |
営業=飛び込み・テレアポだけではありません。
「売り込む」営業から「伴走する」営業まで、幅は広いのです。
3. 【業界別】営業スタイルの傾向と特徴を知ろう
営業スタイルは業界によって傾向が異なります。
自分が苦手と感じていた営業が、実は「業界特有のスタイル」だったということもあります。
業界 | 主な営業スタイル |
SaaS | インサイドセールス/フィールドセールス/カスタマーサクセス |
不動産/保険 | 個人営業(BtoC) |
人材業界 | 法人営業、コンサルティング型 |
IT/広告・メディア | 新規法人営業/ソリューション型 |
4. 苦手だった営業から“別の営業職”へ転職し成功した3つの実例
◆ ケース1:ゴリゴリの新規営業から、提案型BtoB営業へ転職(30代男性)
Before: 飛び込み主体の個人営業(通信商材)
After: 法人向けの課題解決型営業(人材業界)
ノルマに追われる日々で営業とは別の職種への転職を希望していたが、
「自社の提案が相手の業務改善につながること」にやりがいを感じていた。
提案準備や論理的思考の強みが活きたことで、社内表彰も受賞。
成功ポイント:
- 「ガツガツ型→論理型」への営業スタイル転換
- 業界もBtoC→BtoBへ変えたことで精神的負荷も軽減
◆ ケース2:個人保険営業から、インサイドセールス職へ転職(20代女性)
Before: 個人向け訪問営業(保険営業)
After: インサイドセールス(IT系スタートアップ)
対面での押しの強さを求められるスタイルに限界を感じていたが、
非対面のチャネルで「顧客の興味関心を引き出す」役割が適性に合っていた。
継続的に成果を出し、チームリーダーにも昇格。
成功ポイント:
- 自分にとっての「心地よい営業距離感」を見つけた
- コミュニケーション力は活かしながらも無理をしないスタイルへ
◆ ケース3:メーカー営業から、顧客伴走型のカスタマーサクセス職へ(30代男性)
Before: 既存ルート営業(メーカー)
After: カスタマーサクセス(HR系SaaS)
毎日同じ顧客対応・定型業務にやりがいを見いだせず転職を決意。
導入後も顧客と長期的に関係を築けるカスタマーサクセスで、顧客満足の向上に貢献。
自身の「関係構築力」が強みとして活きた。
成功ポイント:
- 「決まったものを売る」から「成果に伴走する」営業へ
- 顧客接点を“深める”仕事に転換したことでモチベーションが回復
4. 「営業が向いてない」と感じたときに考えるべき3つの視点
①「スタイル」が合わないのか、「職種」そのものが合わないのか?
「営業に向いていない」と感じるとき、多くの場合は“営業という職種”ではなく、その中のスタイルが自分に合っていないだけというケースが多いです。
たとえば、
- 飛び込み営業のような瞬発力と精神力が求められる営業が合わなかったけれど、
- 顧客の課題にじっくり寄り添う法人営業やカスタマーサクセスにはやりがいを感じられた、
というように、営業スタイルの違いがミスマッチの原因になっていることも。
まずは、「対面か非対面か」「新規か既存か」「短期決着か長期提案か」などの軸で、自分が苦手と感じるスタイル/得意なスタイルを整理してみましょう。
②「やりがい」を感じる瞬間はどこか?
「成果が出たとき」だけがやりがいではありません。
営業職の中でも、人によってやりがいを感じる瞬間はまったく異なります。
たとえば:
- お客様に「ありがとう」と言ってもらえたとき
- 数字目標を達成して、上司や仲間に認められたとき
- うまくヒアリングできて、潜在ニーズを引き出せたとき
- 新人の頃よりも商談の流れを自分で組み立てられるようになったとき
- 顧客に「この人だから契約した」と言われたとき
自分がどんな瞬間に「仕事が楽しい」「意味がある」と感じたかを思い出し、その延長線上にある営業スタイルや職種を探していくと、自然と「向いている仕事」に出会える確率が高まります。
③「営業経験をどう活かすか」の視点を持つ
営業は多くの職種と相性が良いです。分析力、対人力、提案力など、営業で培ったスキルは職種横断で通用します。
実際に支援をした転職希望者の中には、人材営業から採用担当者・広告代理店営業から企業のマーケティング担当等、業界親和性×営業力を武器に異業種転職を成功された方も多数います。
5. キャリア成功の鍵は“自分軸”を持った選択にある
営業に限らず、どんな職種にも向き・不向きはあります。ただし、重要なのは「自分が何に価値を感じるか」「どんな強みを活かしたいか」です。
無理に自分を“営業に向ける”のではなく、営業経験をどう活かすかに目を向けてみませんか?
まとめ|「営業=向いてない」ではなく「合う営業」を探す視点を
- 営業が向いてないと感じたら、まずは“何が合わなかったのか”を言語化しよう
- 営業職には多くの種類があり、自分に合うスタイルが見つかる可能性がある
- 転職によって、営業経験を強みに変えた人は多い
- 向いていないと感じる今こそ、自分の価値観や強みに向き合うチャンス
「営業やめたい」と思ったその感情は、あなたのキャリアの転機かもしれません。